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幼い子供をもつママやパパにおくる読み聞かせに最適な絵本7選

 

柔らかそうな細長い指が紙のページをめくるときに立つ「しゅっ」という乾いた音やゆっくりとした口調でお話を読む声ーー

 

次にどのような絵やお話が待っているのか、はちみつを食べ過ぎたせいで穴から出られなくなってしまったくまのプーさんはどうなってしまうのか、すやすやと眠っている間に百姓のマクレガーさんに捕まってしまった6羽の子ウサギはどうなってしまうのか、それらはもう繰り返し何度も読んでもらったのだから「結果」は知っているのに、飽きることなく同じ絵本を大人のもとにもっていった記憶が不意によみがえることがあります。

 

  「幼児教育」として広く知られている絵本の「読み聞かせ」は、幼い頃から遠く離れた今になっても、絵本を手にすると懐かしく穏やかな気持ちがよみがえるのですから、使い古された言い回しをすれば、「宝物」と呼べる体験なのでしょう。

 

幼い子供をもつママやパパさんからすれば、自分自身が子供の頃に読んでもらった絵本をお子さんに読んであげたいと思うものですし、「お話」はそうして世代をこえて語り継がれてきたのです。

 

もちろん、ママやパパさんにとって慣れ親しんだ懐かしさのあるものを子供に読んであげるとより感情が豊かに表現され、子供の情操教育にプラスに働きます。両親の感情が動けば動くほど子供は敏感に反応し、お話に引き込まれていくものです。

 

絵本を選ぶときには

読んだことのある絵本だけではなく、知的好奇心や情操教育としてさまざまな種類の本を子供に読み聞かせてあげたい、そのように考えるのはママやパパさんにとって自然なことです。

それでは読んだことのない絵本を選ぶ時にどんなことに注意をすればよいのでしょうか?

 

絵本は手に取って読んでみる

読み手が好きになれない絵やお話を読めば、その気持ちが子供にも伝わってしまいます。本屋さんで実際に手に取ってみて、「これは好きだな」と思えるものを選びましょう。

 

絵本の形や大きさ、内容が異なるもの

子供に刺激を与えられるように、同じような形や大きさの絵本ではなく異なるものを複数選びましょう。また、内容についても異なるものの方が子供のイメージが広がります。

 

絵本を本屋さんで選ぶと迷ってしまう…

読み聞かせは幼児教育としてはもっともポピュラーなものです。そのため、ママさんやパパさんにたくさんの絵本に触れてもらうために、書店でも数多くのものを取り揃えています。絵本のコーナーに立ち寄ってみると、「こんなにあるの?」と驚くほどの数があるはずです。

 「手に取ることが大切って言ってもこんなにあると迷ってしまう…」

そんな時のために読み聞かせに最適な絵本がご紹介。

 

読み聞かせに最適な絵本7選

 

パンやのくまさん

パンやのくまさん (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)

パンやのくまさん (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)

  • 作者: フィービウォージントン,セルビウォージントン,まさきるりこ
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1987/05/30
  • メディア: 単行本
  • クリック: 6回
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 ぬいぐるみに見える小さな目をした「くまさん」がたったひとりでパンやさんを営んでいる日々を描いた絵本です。

ウォージントン兄妹によって描かれたこの絵本シリーズは、『せきたんやのくまさん』、『ゆうびんやのくまさん』、『うえきやのくまさん』という題名からもわかるように、仕事をもった愛らしく素朴な「くまさん」のなんでもない日々が描かれています。

イギリスの「クマさん」と言えば、すぐに思い浮かぶのが「クマのプーさん」ですが、クリストファー・ロビンとともにさまざまなできごとが起こるこの世界的な有名な児童文学作品とは対照的に、『パンやのくまさん』は同じ仕事が繰り返される様子が淡々と描かれ、なにひとつ変わったできごとは起こりません。

ぬいぐるみのくまさんが子供の頃に誰もが経験する「ごっこ遊び」のような仕事を真面目につとめる姿は、まるで大人になることを拒否した子供のように感じられ、どこか不思議な魅力を絵本の世界に与えています。

くまさんの「幼い子供」のような仕草や行動を目にすると、どこか温かい気持ちになる絵本。

 

ピーターラビットのおはなし

ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本 1)

ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本 1)

  • 作者: ビアトリクス・ポター,Beatrix Potter,いしいももこ
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2002/10/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 35回
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 『ピーターラビットのおはなし』を開けば、おなじみの世界がそこには広がり、愛らしいながらもどこかリアリティのある絵を見ているだけで、思わず溜息が出てしまうほどうっとりとしてしまいます。

twice-toldtails.hatenablog.jp

ビアトリクス・ポターの描くウサギやネズミやリスや猫は、今にも動き出すのではないかと思ってしまうほどいきいきと、そして細かなタッチで描かれています。
誰もが知っている世界的に有名なキャクターのひとつでもある「ピーターラビット」は、「そんなこと知らないよ!」といった調子で小気味よく彼らの小さな世界を生きていて、私たちはその不思議なリアルさに引き込まれてしまうのです。
いしいももこさんの訳がオススメ。

 

 100まんびきのねこ

100まんびきのねこ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

100まんびきのねこ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

 

 『100まんびきのねこ』を読んではじめて、百や千、万という大きな数に触れた記憶があります。幼い子供にとっては想像もつかないほどの数の猫がおじいさんのあとについて歩く絵はユーモアがあるというか、どこか親しみがあって、見開きのページをいつまでも眺めていたくなるのです。
100まんびきのねこを家に連れて帰ったおじいさんに、おばあさんがこんなに多くの猫を飼うことなどできないから1匹を選んでくれと言うシーンは、これから起こるだろう「別れ」を想像させ、子ども心に不安な気持ちになったのを覚えています。
1匹の猫を決めるためにお互いに殺しあうという絵本としてはたじろがずにはいられない結末に、大人になった今こそ複雑な気持ちになります。
もちろん、そこには残酷で直接的な表現などはないのですが、大人になって読み返した時こそたじろいでしまうのです。
こちらもいしいももこさんの訳がオススメ。

 

おやすみなさいのほん

おやすみなさいのほん (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

おやすみなさいのほん (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

  • 作者: マーガレット・ワイズ・ブラウン,ジャン・シャロー,いしいももこ
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1962/01/20
  • メディア: ハードカバー
  • 購入: 1人 クリック: 8回
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 絵本はもともと小さな子供たちを眠りに誘うための「おはなし」として、子育てのなかに組み込まれているのかもしれません。

小さな子供たちにとっては眠りにつくことは「ひとりっきりになる」ことなのですから、その前にママやパパから「あなたは私たちから愛されている」ということを感じ取るために、寝かしつけのための絵本によるコミュニケーションは必要なものなのです。

マーガレット・ワイズマンの「おやすみなさいのほん」は、「そと」が次第に暗くなり、さまざまな生き物たちがそれぞれ眠りにつく様子をわかりやすく単純な表現で描かれます。

かみさま

あなたの けものや

うたう ことりたちに

しあわせを めぐみ、

ものいえぬ ちいさな ものたちを

おまもりください

 と絵本を締めくくる文章は、私たち人間も含めた「ちきゅう」にいるすべての生き物がただただすやすやと安心して眠れる夜があるということを読み手に伝え、そうした言葉に触れるたびに安らかな気持ちになるのです。

 

おはようのほん

おはようのほん

おはようのほん

  • 作者: マーガレット・ワイズブラウン,ジャン・シャロー,Margaret Wise Brown,Jean Charlot,谷川俊太郎
  • 出版社/メーカー: 童話館出版
  • 発売日: 1997/09
  • メディア: 単行本
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 「おやすみなさいのほん」の後に出版された絵本

「おやすみなさい」も「おはよう」もこの「ちきゅう」においてはもっともポピュラーなあいさつの言葉であって、それぞれが1日の終わりと始まりを告げるものです。

小さな子供が「ママ」や「パパ」から始まり、次々と新しい言葉を覚えていくなかで、すぐに口にするようになるだろうあいさつの言葉は、絵本においてもストレートな力をもっています。

おきるのよ みんな!

きょうは あなたのもの

 あかるくて希望にあふれた「これから」の未来を素直に表現するこの絵本は、小さな子供たちにわくわくどきどきする日々の大切さを教えてくれます。

谷川俊太郎の訳もオススメ

 

 ふふふん へへへん ぽん!

ふふふんへへへんぽん!?もっときっといいことある

ふふふんへへへんぽん!?もっときっといいことある

 

 モーリス・センダックの『ふふふん へへへん ぽん!』には「もっと いいこと きっと ある」という副題がついています。

たっぷりとした白い毛におおわれたジェニーは、飼い主たちから可愛がられ、何不自由ないペット生活を送っているのですが、外の世界には「もっと いいこと きっと ある」という理由で家出をしてしまいます。

たいくつだから。

ここには ない ものが ほしいから。

なにもかも そろっているよりも もっと いいこときっとある!

 70年代に描かれた絵本であるのに、現代の今読んだとしても色あせないこの感覚に思わずくすっと笑ってしまうのです。

『ピーターラビット』もセンダックの有名な絵本『かいじゅたちのいるところ』も、およそ絵本のなかで描かれる外の世界へ出る冒険は、それらが終わった時に自分たちの居場所である「家庭」へ戻ってくることとセットで語られるのですが、『ふふふん へへへん ぽん!』のジェニーは飼い主のもとへ戻ることはないのです。

おわかりと おもいますが、

わたしは もう おたくへ もどりません

 前に住んでいた飼い主に向けてジェニーの書く手紙は、この絵本の不思議な魅力となっています。

 

かいじゅうたちのいるところ

かいじゅうたちのいるところ

 

 

 はらぺこあおむし

はらぺこあおむし エリック=カール作

はらぺこあおむし エリック=カール作

 

 幼児教育の「読み聞かせ」のなかで、もっとも有名な絵本のひとつです。

卵からかえって、幼虫から孵化するという成長物語は、それをストーリーとして追っていくだけでも、楽しいものです。色鮮やかな絵と本を体感的に楽しむ仕掛けがちりばめられた『はらぺこあおむし』は、名作中の名作と言えます。

 

まとめ

7つの絵本のすべてが今、手もとにあるわけではないのですが、『100まんびきのねこ』と『はらぺこあおむし』を除く5冊を手に取ってページをめくると、子供の頃の記憶とともに大人になったからこそ感じることのできる「新しい発見」があることに驚かされます。

文字を読めるようになるまで、絵本は大人の声を通して子供へと届けられる物語なのですから、もちろん、小さな子供たちだけではなく大人が楽しめるものでなければ、世代をこえて語り継がれる「おはなし」にはならないのです。

 

これらの絵本が育児に疲れたママやパパさんたちにとっても、穏やかで安らかな気持ちになれるものでありますようにーー